GOLF LOVER

inpres UD+2 LADIES 開発者インタビュー

『インプレスUD+2レディス』は完成品ですが、次を考えた瞬間に完成品ではなくなるんです。

ヤマハ株式会社ゴルフHS事業推進部商品開発グループ主幹竹園拓也さん

ー〝プラス2番手の飛び〟をドライバーでどのように実現した?

「吹け上がらずに強い球で、しっかりキャリーを稼げるようなドライバーにしたいと考え、形状についてもイチから見直しました。強い球を実現するためにロフト角は比較的小さめでありながら、少しグースをつけて、重心をより深い位置に設定したことで高い打ち出しも確保できました。徹底して低く深い重心設計を追及した結果ですね。
シャフトは女性が扱いやすいよう先端部がしなやかに動き、ボールをしっかりすくってくれる設計にして、トータルでのポテンシャルを考えています」

ー女性専用設計の進化とは?

「バルジを平らにして、かつ慣性モーメントを大きくすることで、どこに当たっても真っ直ぐ飛ぶような設計にしました。〝真っ直ぐ〟も飛びと同様大切な要素ですね」

ー今作では3番ウッドがなくなりましたね。

「はい。3番ウッドはロフトが立って、シャフトも長いので苦手な方が多い番手です。苦手なのに飛ばしたくて使うと、ミスの確率も高くなります。そこで、5番ウッドのやさしさで3番の飛距離を実現することを目指しました。ナイスショットの確率も高くなるので、スコアアップにも繋げられると思います」

ー最後に、開発者としての想いを聞かせてください。

「最近はプロでも大きなヘッドで曲がらずに飛ぶクラブを求めている時代です。ゴルファーのニーズに合わせて、どう設計していくかを考え続けるのが我々の仕事だと思っています。『インプレスUD+2レディス』は完成品ですが、次を考えた瞬間に完成品ではなくなるんです。『インプレスUD+2レディス』はこれからも進化を続けていきます」

inpres UD+2 LADIES

『インプレスUD+2レディス』のアイアンに、飛距離で勝てるモデルはないと思っています。

ヤマハ株式会社ゴルフHS事業推進部商品開発グループ山内勇樹さん

ーアイアン設計のこだわりを教えてください。

「特にこだわったのはロフト設定です。市場に出回っている多くの女性用7番アイアンのロフトは31度ですが、とにかくロフトを立てて飛距離を出すというコンセプトの元、25 〜 31度までの試作品を、様々な女性に試打して頂きました。ロフトが立っているほど飛びましたが、理想の飛び姿を検証した結果、7番アイアンは29度が最適だったんです」

ー『インプレスUD+2レディス』の7番アイアンはどんな番手?

「グリーンを狙える番手です。ロフトは立っていますが、重心が低く球の上がりやすさを備えています。プラス2番手は達成しつつ、しっかり球が上がるので、5番アイアンじゃないと届かなかった距離を、7番アイアンで狙えるクラブです」

ー女性モデルの設計で、一番苦労した場面はどこですか?

「女性モデルは、自分達の頭だけで考えるのではなく、女性がしっかり評価すべきだと思うんです。その点、多くの女性の評価者を集めるのがとても大変でしたね。社内の女性や、練習場にいる女性に試打を協力してもらいましたが、恥ずかしがってなかなか打ってくれなかったりして‥‥。女性の気持ちになって設計をすることの難しさを感じましたね」

ー試打に協力してくれた女性からはどんな声がありましたか?

「自分のクラブよりも飛ぶという声を頂くことが多く、自分自身もすごく自信が持てました。『インプレスUD+2レディス』のアイアンに、飛距離で勝てるモデルはないと思っています」

この記事は、ゴルフ用品界(10/1号)に掲載されたものです。